レポート
いよいよ2018年の個人戦最終戦、グランドファイナル大会です。TOYOTA GAZOO Racing Festival 併催イベントで、43,000人もの大勢のお客様の前で走れる貴重な機会。
スポンサーアピールができます。また、各シリーズの上位ランカーが集まったレベルの高い1戦。お客様が楽しめる質の高いレースをしたいと思います。
地元の関東勢が非常に強力ですが、私も日本一を目指すドライバーの一人として、トップを目指し戦います。
チームのデータから、エンジンオイルはトルク感のある Walzer017 をチョイス。ミッションオイルは、デフの効きとストレート抵抗のバランスが良い TR2 をチョイスしました。
事前テストでは、足回りを交換した事で、ターンイン時の操作にマシンがしっかり反応するようになりました。
しかし、関西第4戦に続きストレートの伸びが足りません。念の為、エアフロセンサ、O2 センサを交換してからイベントに臨みました。
練習走行
金曜のテストデーでは、2本の走行枠が設けられました。天気は曇り。11月末だというのに暖かく、外でも上着がいらない程です。
2枠とも半分程度の時間を本番タイヤで走行し、しっかりと熱入れを行いました。ここ数戦で感じていた抵抗感の対策です。
しっかり使い込んだ状態からスタートすべく、タイヤの残量をチェックしつつ練習から使い込みます。
しかし、縁石で傷つけないよう気を使った走行となるのがデメリット。別のタイヤを履いた残り半分の時間で、コース幅を目一杯使ってアタックを掛け、タイヤ内圧を探ります。
専有走行枠の結果は、2分16秒908でB組7番手、総合15番手でした。タイヤ作りに時間を割いたとはいえ、厳しい結果にレベルの高さを痛感します。
しかしこの日は、燃調が濃く、水温が低すぎる事を発見しました。翌日はもっと水温を上げてから走行をスタートしようと思います。
最高速は、単独走行で 176.1km/h、スリップ有りで 180.2km/h でした。周りと比べてもやはり車速が伸びておらず、水温を上げた状態でどうなるかに期待します。
予備予選
今年は関西シリーズでのランキングが低かったため、デビューイヤー以来の予備予選からの出走となりました。しかし、予選前に同じコンディションを走れることはメリットになります。
トラブルが無い限り通過は出来ると思いますので、内圧などマシンの最終確認をしようと思います。タイヤは本番用を選び、熱入れの仕上げを行います。
アタック1周目はコカ・コーラでスライドが多めでしたが、2分17秒067を記録。
2周目は2分16秒155と、確実に予備予選を通過できるタイムを記録しました。翌周もタイム更新中でしたが、内圧確認を優先しピットに戻りました。
当初はもう1アタックする予定でしたが、ここでチームから走行終了を提案されました。この時点でトップタイムであることを聞かされ、タイヤの状況も確認できたため、提案に同意しアタックを中止します。
しかし、最後に #270 水谷選手にタイムを更新され、トップタイムは逃してしまいました。トップを取ることに意味はありませんが、ピットインせずタイム更新しておけば、とは思いました。
最高速は 177.4km/h でした。ストレートスピードに目立った改善はなく依然として厳しい状態ですが、タイムは出ており、戦える状態ではあります。
予選
予選のコースインは中団になりました。富士のいつもの光景ですが、インラップはポジション争いで渋滞しています。前に #1 峯選手が見えており、その後ろを狙います。
レクサスコーナーの時点で、#1 まであと2台。ホームストレートで抜けそうで、理想的な展開です。
最終コーナーの車間もばっちりでしたが、前の #16 橋本選手が立上りで空転したのかスローになり、自分の立上りラインがなくなってしまいました。
結果、スピードが伸びず2台をギリギリ抜ききれず、そのままのポジションでアタックを開始します。
前後ともにマシンが多く、空間を見つけられません。他車と絡みながらの困った展開。ストレートが遅く、1コーナーで後ろから仕掛けられるので、どうしてもロスしてしまいます。
5周目、やっとできたスペースでアタックを掛けましたが、なんとその周にコカコーラーコーナーで4輪脱輪というミスをしてしまいました。
そのまま予選が終了し、ベストタイムの2分16秒515は4輪脱輪で抹消。2nd ベストの2分17秒060タイムが採用され、24番手になってしまいました。予備予選より1秒近く遅く、不満の溜まる予選結果となりました。
振り返れば、途中でピットインし場所取りをやり直せば良かったと思います。最高速はフルにスリップを貰った 181.3km/h。スリップのない周はありませんでした。
決勝
決勝レースは久しぶりの中団グリッドからのスタート。不安でしたが、シグナルの上段が見えて一安心しました。
しかし、上段は光らない段だったようで、前車のスタートを見て慌ててスタートし、3台に抜かれる最悪のスタートとなりました。
オープニングラップ、レクサスコーナーで上位のスピンがあり大混乱。幸運なことにちょうど最内に1台分の隙間があり、7つポジションを上げることができました。
2周目、ヘアピン立上りでアウトに膨らんだ車を抜き、1ポジションアップ。しかし、ホームストレートで抜かれ1ポジションダウン。
4周目、ホームストレートで前5台が争い固まっており、後ろの私にものすごいスリップストリームが発生。
怖くなるほど車速が伸び、うち2台を抜くことができました。5周目、同じくストレートで前4台が争うスリップを貰い、うち1台をパスしました。
6周目、前車が最終コーナーでミス、付き合わされたため後ろに追いつかれ、スリップで1台に抜かれます。
7周目、引き続きストレートで後ろの車のスリップで追いつかれ、1コーナーで並ばれます。そのままダンロップまで並走となり、そこでさらに後続車に強引にねじ込まれ、合計3台に抜かれます。
最終8周目、前周と同じように前車がダンロップで強引にインを付き、混乱になった所で2台をパスしました。こうした目まぐるしい順位変動の末、19番手でチェッカーを受けました。
ゴール後、ペナルティが3台に対し提示され、最終順位は16番手となりました。最高速は183.1km/hでした。
レース中は終始激しいバトルを続け、また集団での競り合いはグランドファイナルならではの体験です。レベルの高いファイナリスト達とのバトルは良い経験値になりました。
しかし、残念ながらホームストレートで負けることが多く、抜いてもサイドスリップで逆転され、後ろからは追い付かれるという苦しい戦いでした。何とか原因を解消したいと思います。
感想
2018年の個人戦最終戦でしたが、結果を残すことができず、残念な結果となりました。
予選ではポジション争いに失敗し下位に沈み、決勝では幸運もあり順位を8つ上げることができましたが、表彰台争いからは大きく離れてしまいました。
思い返してみると、2018年は最後まで調子が上がらずに終わってしまいました。
微妙に変わったタイヤコンパウンドに合わせ、リアタイヤを使いきるセットを目指し、少しづつ改善していきましたが、ライバルのレベルアップは私以上でした。
そうこうする間に、シーズン後半はマシンの調子が悪くなり始め、最後2戦はストレートが伸びない症状が出るようになりました。
走行距離が多い他の選手も同様に不調を訴えているようで、10万キロを超えた120号車も限界がきているのかもしれません。
しかし、チームの努力で一つ一つトラブルを見つけ潰しており、予備予選では良いタイムを刻むことができました。来シーズンは車両・ドライバーともに戦闘力を上げ、再びトップ争いをしたいと思います。
シーズン後半にテストしたミッションオイルは、デフの効きが向上し大幅な戦闘力向上になりますし、グランドファイナルの失敗の原因は、予選の戦略を臨機応変に切替えれなかったこととハッキリしています。
シーズン後半は内圧モニタを装着してテストを行っており、タイヤ温度と内圧が分かってきました。アタックの仕方を工夫している最中で、来年には方向性が固まると思います。
2018年シーズンも引き続きご支援くださいますよう、よろしくお願いいたします。
<ロガーデータ>
赤:予備予選
青:予選
緑:決勝